甲状腺はとても小さな器官ですが、ホルモン分泌の重要な役割を持ち、働きが乱れるとが様々な不調を引き起こします。また、男性に比べて、圧倒的に女性に多い疾患でもあります。「なんだか最近調子が変だな」と思ったら一度専門機関を受診してみてください。

甲状腺科とは?

甲状腺は、のどぼとけの少し下にある羽を広げた蝶々のような形をした器官で、主に新陳代謝に関わるホルモンを分泌する役割を持っています。甲状腺の働きが乱れ、ホルモンの分泌が過剰になったり、低下したりすると、様々な症状が現れます。また、甲状腺には良性腫瘍やがんができることもあります。以下のような症状がありましたら、甲状腺科にご相談ください。

・動悸、頻脈、多汗、手の震え、息切れ
・倦怠感、眠気、眉の抜け毛
・急な体重減少または増加
・目が閉じにくい、目がとび出てきた気がする
・甲状腺(首・喉元あたり)の腫れ、しこり

沖縄県は、全国的に見ても、甲状腺の病気の発症率が高い傾向にあります。きちんと治療ができる病気ですので、不調に悩まず早めにご受診ください。

診療時間

診療時間
(受付時間)
9:00 ~ 12:30
(8:30~11:30)
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14:00 ~ 17:30
(13:30~16:30)
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当院は「予約制」となっております。甲状腺外来を受診の方は、お電話にてご予約ください。

診療について

主な検査方法

血液検査

血液中の甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの濃度を調べたり、自己抗体免疫に異常がないかを調べます。当院では、院内で体制を整えており、検査結果は早くて2時間程度でお伝えすることができます。内容によっては数日かかることがあります。

超音波検査(エコー検査)

超音波でしこりの有無や状態を調べます。検査は診察台に横なって行います。ジェルを塗ってプローブ(端子)と呼ばれる小さな機器を使って首元に超音波を当て、反射の様子を観察します。痛みはなく、体への負担もほとんどありません。

主な甲状腺疾患

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって引き起こされる病気(甲状腺機能亢進症)のなかの代表的なもので、20~30代の若い女性に多い病気です。症状としてよくあるものは、動悸、体重減少、指の震え、暑がり、汗かきなどです。また、甲状腺が大きく腫れてきたり、目の症状(目が完全に閉じない、目がとび出たりなど)がでることもあります。薬物療法や甲状腺摘除術などの治療法があります。

橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺ホルモンが少なくなる病気(甲状腺機能低下症)の代表的なものです。ただし、80%ほどの人は甲状腺機能低下症を伴わず、ホルモンの分泌は正常に保たれています。主な症状には、甲状腺の腫れ、首の圧迫感などがあります。甲状腺機能低下症になると、全身の代謝が低下することによって無気力、倦怠感、全身のむくみ、体重増加、便秘、声のかすれ、女性では月経過多などの症状が出ることもあります。低下症がある場合は、甲状腺ホルモンを補う薬剤の内服などで治療します。

甲状腺炎(亜急性甲状腺炎)

甲状腺内に炎症がおきたことによって、甲状腺ホルモンが血中に流れ出て、血中の甲状腺ホルモン濃度がが上昇してしまう病気です。発熱と痛みを伴う甲状腺の腫れが生じ、甲状腺ホルモン過剰による全身倦怠感、動悸、多汗などの症状がおこります。炎症が治まれば、時間はかかりますが自然と症状はよくなっていきます。症状がひどい場合は抗炎症薬や、甲状腺ホルモンを抑える薬剤の服用で治療します。