Dr.宮良

「和」その6

「ぴんく・ぱんさぁ」。乳がん患者が自らの力で立ち上げたNPO団体だ。「和」その2 で、私のまわりには、多くの乳がん患者の会が存在し、活動していることを記したが、それぞれのメンバーは数人から10数人で構成されている。しかし、県内 では今や年間300人以上の乳がん患者が発生しているのだ。手術を受け、1人で不安と闘っている患者も少なくない。

治療法や術後の過ごし方、再発の問題など、「皆はどうしているのだろう?」 と相談したいことは山ほどあるのに、その受け皿がどこにあるのかわからない。医者に相談しづらいことだってあるだろう。また家族や友人も手を差し伸べたい が、小さな親切、大きなお世話になりかねない。

そこで、県内の乳がんを患った、女性同士のネットワークをつくり、「自分は 決して1人ではない!」という安心と、乳がんと闘う勇気を持てるように、また「乳がんの正しい情報と知識」を得ることで、不安感を拭(ぬぐ)い、笑顔で前 向きになれるようにと、患者の、患者による、患者のための「乳がん患者の会」が、今年ついに立ち上がったのである。それが「ぴんく・ぱんさぁ」。皆、仕事 や家庭を持ち、なかには抗がん剤治療を受けながらも、会設立に奔走した。私も陰ながら応援をしてきた。

「ぴんく・ぱんさぁ」は単なる親睦(しんぼく)の会ではない。患者の立場 で、自分たちの言葉で、わかりやすく乳がんの疑問に答えるQ&A集を作成している。また年2回、患者さんとその家族、友人を対象とした「乳がん」講演もあ り、今月25日(日)午後1時半よりてんぶす3階で私が露払いの役を引き受けた。はじめは小さい「輪」だが、熱意はきっと大きな「輪」となり、県内を「ぴ んく・ぱんさぁ」が疾走するだろう。

●宮良球一郎(宮良クリニック院長)

平成17年9月15日(木)
琉球新報夕刊掲載

Copyright© 宮良クリニック , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.