Dr.宮良

「和」その1

単身乗り込んだ癌研究会附属病院乳腺外科、癌研究所乳腺病理で「乳腺学」の魅力を学んできたが、同時に真の意味で一 流と呼ばれる人は、学問だけでなく心も一流であることを痛感し、人間として礼節を重んじることの重要性を再認識した。帰郷後は「乳がん早期発見と正しい診 断・治療」をライフワークとしながらも「人間の心のつながり」を重要視し日常診察に取り組んできた。

「人間の心のつながり」とは、生まれた時から人はその方向性が決まっているのではもちろんなく、その歩みを続ける中で、当初は本当に偶然性のたかい出会い からの始まりが、互いを尊敬する中で、紆余曲折の人生を楽しく乗り切るために必要不可欠な存在となり、見えざる糸によって心が硬く結ばれ、切っても切れな い人間関係のことではないかと私は考えている。

田舎出身(実は私の本籍はあの小浜島)の私がはじめから医者を目指した訳でもなく、もちろん私が乳がんを専門にしたクリニックをオープンできたのも、そういった心のつながりがなくては成りえなかったわけである。

「南風」への執筆依頼があった時、乳がんオタクの私に本当に読むに耐えうる文が書けるのかなと一瞬迷ったが、二つ返事で了解した。どこかで人間は心のつな がりが大事なんだと言うことを、訴えたかったからだと思う。我々のクリニックは「和」を大切にすることをメーンテーマにしている。半年間皆さんと「和」の 正体を探して行きたいと思っている。

以前私の妻(美代子クリニック院長)が約二年間月一回連載記事を書いていたことがある。毎日の診察+家事をこなした夜中に文章を練っていた。妻のつめのあかでも少しなめながら私も眠い目をこすり続けたい。

●宮良球一郎(宮良クリニック院長)

平成17年7月7日(木)
琉球新報夕刊掲載

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